友人I君

I君と確か6年ぶりに会う。彼はいつもそうなんだが、突然電話で「今から行くので10時に会えないか」と、他人の都合はお構いなしなんだが何故か憎めない。お互い大学は違うが学生時代は数学を専攻した関係で何故かウマが合う。前回会ったのも何年かぶりだったと思う。百貨店と本屋で彼の買い物に付き合い、その後コーヒーを飲んで2時間ばかり話をして別れるパターンなのだ。私は本屋では昨日の日記の藤原さんの関連で新渡戸稲造の「武士道」を買った。彼は何故か今回は本屋では何も買わなかった。話の内容はお互いの近況、読書、音楽等趣味中心に主に彼のペースで進む。彼は結婚はしたのだが、故あって30歳から独身で、以前は高校の教師をしていたのだが、10年前ぐらいにやめ「百姓」をしている。資産家で山林、田畑をたくさん所有している。昨年10月、お父さんを亡くして遺産の問題で大変だとも言っていた。ダーウィンの「種の起源」、岩波文庫版の「西遊記」などを読んでいるとのことだった。最後はステーキ専門のレストランで昼食をして別れた。「武士道」は原本は新渡戸が英語で書いたものなので、英語版も欲しかったが無かったので手配してもらった。「友あり遠方より来る、また楽しからずや」。
私の履歴書」は昭和40年北が「ドクトルマンボー航海記」がベストセラーになり、作家として認められ本格的に活動を始めるあたりだ。北が東北大の医学部を出て、兄(斉藤茂太)の病院で働き、その関連で遠洋漁業船の船医として乗り組んだ時のことを書いている。私にとってあっという間に読んだ思い出の一冊だ。マンボーの前の自費出版の「幽霊」についても触れていたが、朝の2時ごろ電源を消してある机の上のパソコンが突然起動する音で目が覚めた。家内にそのことを話したら「気持ち悪いことを言わないで」と叱られた。