ポーリュシカ・ポーレ

うっすらと雪化粧した景色を眺めながら朝の準備をしていると、寒い冬の朝にふさわしくラジオ(NHK第1)からロシア民謡の「ポーリュシカ・ポーレ」のトナカイの橇の小気味いいリズムが流れている。名前は聞きそびれたが女性歌手の澄んだ歌声も素晴らしい。35年ぐらい前、立原正秋原作の「冬の旅」のテレビドラマの主題歌で流れていたのを思い出す。このドラマは家族兄弟の確執を描いた物語で、主役の少年(あおい輝彦)は少年院で短い人生を閉じるというストーリーだった。確か田村正和が兄役だったと思う。そう言えば主役の少年が獄内で数学者高木貞治の「解析概論」を読むシーンがあった。実は私は学生時代「解析概論」を教科書として解析学の講義を受けていた。この本はいずれ読み直したい本の1冊に入っている。そのころ殆どテレビドラマを見なくなっていた私がこの番組だけは見たのはそれも一因かもしれない。
午後8時前臨時ニュースでライブドア堀江社長の逮捕のニュースが流れる。すぐテレビを消す。今まで寵児として持ち上げたマスメディアが今度は人民裁判さながらに手のひらを返したように徹底的に叩く浅ましさは見るに耐えない。