ユートピア?

2,3日前のNHKの「クローズアップ現代」で原油高による未曾有の繁栄を享受しているサウジアラビアで若者が働かないという問題を取り上げていた。病院、学校など社会サービスは無料、家すら数万戸無償提供を予定しているとか。単純労働はアジア各地からの移民が低賃金で行い、自国民は名目的に彼らを管理しているだけらしい。若者にとって労働するということに対して何のインセンティブも感じていない。砂漠で車を乗り回している若者たちのインタビューでも堂々と「何で働く必要があるのかわからない」と言う姿が映し出されている。ある若者は「働かなくても、親から月30万円貰っている」と言っている。働く必要がないわけだ。政府は緊急課題としてやっと重い腰を上げたらしい。各種サービスが無料は物質的にはユートピアかもしれないが、心の荒廃という大きな代償が払われなくてはならない。これは他人事ではなくわが国の問題でもある。