ネーションとステート

国会は教育基本法の改正の論議が始まる。私は社民党共産党のように愛国心を法案に入れることは戦争につながるという意見に与するものではないが、法案に入れるのはいかがかと思う。他国と比較する向きがあるが、日本はアメリカなどと違い人為的に建国したステート(国家)ではなく自然発生的なネーション(祖国)であることを忘れてはならない。国家に対する愛なのか、祖国に対する愛なのか、愛国とはどちらに対してのものなのかが大切になると思う。当然議員の諸君は十分分かっていると思うがしっかり議論してもらいたい。
私たちの愛は家族愛に始まり、郷土愛、祖国愛の順となると思う。家族愛というか家族の絆が希薄なことが、現在の殺伐としたなんともなりきれない状況の一番の原因だと思う。「三つ子の魂百まで」というが、家庭内で躾がなされていない現状が一番気にかかる。実は躾をする側の親がその親から過保護に育てられ、躾ということが理解できていないと言うのが問題なのだ。若者の中にもきちんと躾を身に付けている者もたくさんいる。自分の子どもは他人任せにせず家庭内でガミガミ言うのではなく、『後姿』で教育することが本当の意味での躾になる。家族を愛せないものが、郷土愛、祖国愛(愛国心でもいい)を言う資格はない。
●聴いた曲
 「ヨーヨー・マ エンリオ・モリコーネを弾く」
    ヨーヨー・マ(チェロ)
    ローマ・シンフォニエッタ管弦楽団