廻文

日経日曜版の文化欄の野口武彦氏の「江戸の風格」、今日の標題は「オタカラ、オタカラ」初夢売りだ。初夢は大晦日の夜なのか、元日の夜なのか諸説紛々らしい。元日派?の西行山家集で「年暮れぬ春来べしとは思ひ寝にまさしく見えたかなふ初夢」と詠んでいる。江戸では元旦に宝船の絵を買って枕の下に敷いて寝ると吉夢を見るという言い伝えがあった。その絵に廻文(上から読んでも下から読んでも同じ文のこと。不明にして初めて知る)が書いてあったそうだ。手元の電子辞書で「廻文」を繰ると関連語句に「宝船」が載っていた。電子辞書にも次の文が載っていた。
 ながきよのとおのねぶりのみなめざめなみのりぶねのおとのよきかな
同じく日経新聞一面は「イエコノミー」で元日から特集が続いている。家計のことをもじってのネーミングなのだが、経済全体に占める家計の現在の姿の記述の数々興味深く読むことが出来る。このネーミングは社長賞?ものかなと思う。
午前8時17分発の電車で一昨年亡くなった義父と義兄の3回忌法要に出席するためにU***へ向かう。1時間足らずで着くのだが、老眼鏡に換えて残り少なくなった留守春夫氏の「常に諸士の先頭に在り 陸軍中将栗林忠道硫黄島戦」を読んだ。最後の突撃を前に栗林は「全将兵に告ぐる命令を発する」
 1、戦局は最後の関頭に直面せり。
 2、兵団は本17日夜総攻撃を決行し敵を撃サイせんとす。
 3、各部隊は本夜正子を期し、各当面の敵を攻撃、最後の一兵となるも飽く迄決死関頭すべし、大君(3語不明)て顧みるを許さず。
 4、予は常に諸士の先頭に在り
何回も書くが、とても人間業とは思えない。