人間復興の経済を目指して

火曜日朝6時40分過ぎのNHKラジオ第1の電話インタビューは内橋克人氏だ。毎週テーマを絞っての解説に考えさせれられる点が多々あるが、今朝は亡き城山三郎氏を偲び追悼する内容だった。恥ずかしながら両氏の対談の著書「人間復興の経済を目指して」のことは始めて知った。意気投合した両氏の日本の現状に対する警鐘をユニークな語り口で電話口から訴えている。然りだと思う。
現今の日本はグローバリズムという仮面を被った実はアメリカ型の極端な弱肉強食資本主義、「拝金主義的」な悪い面ばかりが横行している。「弱者が強者の為に一方的に奉仕させられる社会」「災害、病気、失業・・・などにおいて、弱者ばかりがリスクを背負わされる社会」、「ほんの一握りの高所得者と大多数の低所得者で構成される社会」である。そういった社会において、いわゆる高所得者や名誉職に位置する勝ち組はその状況を維持するために、一方負け組みは負け組みで享楽的な風潮に毒されるがために、モラルを失い、他者を陥れていく・・・。「職なくば人間の尊厳もない。人間労働を市場にゆだねてはならない」
弱者排斥を是とするこの風潮〜小泉改革に端を発す、政治改革・経済改革・教育改革・司法改革など〜に歯止めをかけないと取り返しのつかないことになるだろう。いや、既に取り返しのつかない状況になってきていると言える・・・。「ワークシェアリング」をはじめとして、「人間性」を重視した社会システム、政治経済システムの確立こそ、真に行うべき改革として日本が取り組まなければならない。